1998/11/15
我が家にはペットのリス(メス)がいる。名前は″チッチ″である。2代目であるが1代目とは性格も違い、またなんとなく人間に似た部分も多くリスにも人格(リス格?)があるものだと感心している。 リスは年に1度しか子供を作らず、手に入れるのは春過ぎ頃(4〜5月)である。その頃に生まれたばかりのものを買ってきて、人間の赤ちゃんや手乗り文鳥のように手で餌をやり、なつかせる。少し大きくなればなつき難くなるので値段も安くなる。生まれたては5〜6千円するのに、1月もたてば3〜4分の1になる。 我が家の1代目のチッチ(メス)は娘がアルバイト先のパートのおばさんから、つがいを飼うのでいらないかとの事でもらってきた次第である。もう3歳位、いやそれ以上であろうか大変人になついていて、もらったのが12月の寒い頃で、コタツに入った私の組んだ足の中にいつも入って寝たり、遊んだりしていた。食事も私達の食事中に顔を出していろんな物をもらって食べていた。だがそれがあざわいして、口内炎、その他血液の病気になり、1年少しで死んでしまった。獣医に諭されて知ったのだが、リスの場合、食べ物はいったん頬の内側に溜めて後から少しづつ食べるので、人間と同じ物を食べさせるとそれが口の中で発酵したりして病気になるとの事であった。また寒いおり、小屋には暖房をつけてやらなければ体温が下がり、心臓への大きな負担になるとの事でもあった。それにも心当たりがあり、寒い朝小屋から出てくる時スローモーションみたいな動きで、私達は面白がっていたが、それが死ぬ原因の一つでもあったと思うと後悔しきりであった。なおリスの寿命は5年前後らしい。 さて、可愛がっていたペットがいなくなると寂しいばかりで、いたたまれずペットショップへ次のリスを探しに行ったが、前述のとおりシーズン・オフで2〜3ヶ月待たなければならなかった。 やっとシーズンが来て、新聞に折り込みチラシが入るやいなやペットショップへ走っていった。行ってみると1軒目は売り切れ、2軒目に行くと数匹の生まれたばかりのリスの赤ん坊が売られていた。その中へ手を入れると1匹が手にしゃぶりついて来た。尻尾も他のよりも大きそうだったので、迷わずその最初の1匹を買うことになった。妻に言わせると、あの時一番元気なのを選んだのは失敗だった。元気すぎて悪ガキで困る、とボヤきながらも今は大きくなった子供たちの代わりの赤ん坊として可愛がっている。 家の中では大きめの鳥カゴに木の小屋を入れ、周りに木屑を敷き詰めて飼っているが、毎日カゴから出して、家の中を走り回っている。カゴから出るのが楽しみで、こちらを見付けるとカゴの中で走り回ったり、バク転を繰り返して、そのたびにカゴの入り口を確認したりして、早く出せと文句を言っている。 リスはきれい好きである。 リスは思う以上にきれい好きである。朝起きれば必ず体の掃除をする。頭のテッペンから尻尾の先まで両手でごしごしと磨き、手をペロペロなめながらとことん体の掃除をする。 リスはプライドが高い? うちのチッチは結構家の中で気ままに過ごしている。ただそのプライドにも感心する。走り回って疲れた後、よく階段の隅っこや家具の上(それも決まって先端)でウトウトする時がある。そして時折ボトッという音がすることがある。ウトウトしていてうっかり落ちたのである。こちらが知らぬふりをしていると本人も何かあったのかなというふりでまたうろうろして何かを始める。ただこちらがそばで笑ったりすると怒って頭突きをかましたりする。本当に楽しいペットである。 リスは変温動物である。 リスは常温動物だが、それに接していて、変温動物ではないかとの感がする。手の上に乗せると足の体温が直に感じられる。暑いときや暴れた後は足の温度も熱いが、寒いときのみならず少し冷えてきただけで足の裏が冷たくなる。 リスは天気予報になる。 リスの行動で興味深いのは、翌朝の気温に合わせて小屋造りを行う事である。涼しくなったおり、また冬季の場合、翌朝の気温に合わせて小屋の周りにカゴの中の木屑を積み上げる。口の中にいっぱい詰め込んで一生懸命運んでいる。小屋の周りの積み具合や入り口のふさぎ具合で、私達も翌朝の気温を推測出来るのは興味深い事である。 リスの巣作りと餌のストック 秋口になると家のあちこちに巣を作り出す。ティッシュの切れ端や破いた新聞紙などを集めて自分の巣を作ろうとする。 リスの鳴き声 1代目のリスの場合年を取っていたせいか分からなかったが、2代目は若いせいか発情期があり、春先と秋口に鳴いたりする。秋口はたまにチッとかチューとか鳴くだけだが、春先はうるさくチッチッ、チューチューの他に頬を鳴らすように、ちょうど鳩の鳴き声のようにホロホロホロといった鳴き声を出す。ただ分からないのは春先にそれほど鳴くのに、リスが子供を産むのは春に決まっている。はたして妊娠期間が1年もあるのかどうか私には分からない事である。 リスは狭いところが好き、でも・・・・ リスは狭い所が好きである。体がぎりぎり入る所に入り込んで喜んでいる。しかしたまにドジをして出られなくなることもある。 とにかく遊び好きである 結構リスは賢く、我が家の家族構成をそれぞれ遊び役、餌役等使い分けている。妻は餌役、カゴからの出し役、私は都合の悪い場合の隠れ場所、カゴからの出し役、子供たちは喧嘩の遊び役といった具合である。子供が来ればお互いに睨み合って喧嘩を売ろうとしている。何もしてくれなかったら子供をつついて逃げたり、軽く手足を噛んで逃げ回って喜んでいる。逃げ場所が無ければ私の後ろや背中などに隠れて喜んでいる。 本当にペットは憎めないものであるし、完全に家族の一員でもある。今夏犬のペットが無くなったばかりで、今やリスのチッチは我が家に欠かせない存在となっている。 |