紅ツバメへの愛歌

 

あるうららかな朝

 汝は我が窓辺にて

 夢路より帰り来ぬ我に囀りかけた

思わず窓の外を見し我は

 汝の囀りに心を奪われ

 汝の姿に魅せられてしまった

真白きベランダに映えるは

 我の情熱をかきたてる

 炎のような真紅のバラ

汝の嘴は

 紅バラよりも紅く燃え

 その瞳は地中海よりも青し

 

おお可憐な一羽の紅ツバメよ

 汝は罪深いき生き物だ

 汝は小さな悪魔だ

いかに我が汝を求めようとも

 我の腕はただ空しく

 空を抱くばかり

悩む我をあざ笑うかのように

 ひらりひらりと身をかわし

 我の心を掻き乱す

だが我の前から

 飛び去ろうともせず

 囀りまわっている

 

おお罪悪な一羽の紅ツバメよ

 紅バラよりも紅い

 汝を我は憎む

我の切実なる心を知らず

 バラの枝間を飛びまわり

 ひとり明るく歌っている

我の激しく燃える心は

 たてえ無駄であろうとも

 汝を求めて止まず

ああ一羽の紅ツバメよ

 小さな紅い悪魔よ

 我は汝を愛す